皆さん、こんにちは!
久しぶりにコラムに登場します。
さてさて、今回は、「釣りバカ日誌」ではありませんが、旬の魚「イサキ」の話をしたいと思います。
「イサキ」
黒潮に乗って、例年5月のゴールデンウイークがあけた頃、海水の温度が20度を超える頃に産卵のため接岸してきます。
いわゆる「のっこみ」です。
この頃に釣れるイサキは抱卵してお腹がパンパンに腫れあがって、当研究所の専任講師である「紅谷先生」を思い描いていただければ皆さんの「イサキ」に対するイメージはしっかりと固まるのではないかと思います。(紅谷先生ごめんなさい。ダイエットしてください。)
体長は30〜40cm、体高は10〜20cmというところでしょうか。
40cmを超えるものになると立派な高級料亭サイズということになります。
私のような庶民は自分で釣る以外、なかなか口にすることが出来ない「魚」ですな。
身は白身でお刺身、塩焼き、煮付け、一夜干なんでもいけます。
いわゆる高級魚なんです。
イサキ釣りは船で行けば昼間でも釣れるのですが、陸から釣るのは、イサキが夜行性のためどうしても夜になります。
私が主戦場としている伊豆半島、初島(熱海から船にて25分)、伊豆大島ではいわゆる遠投カゴ釣りと呼ばれる釣法にて狙います。
投入距離は一般的には70〜80mで、仕掛け図は以下のとおりです。

上記の仕掛けに基づき、餌は「オキアミ」、こませ(魚を寄せるためのものです。)は、アミとオキアミをブレンドして用います。
配合剤(例えば「イサキパワー」)をカゴの中に入れる人もいますが、私は、必要はないと思います。
さて、仕掛けも揃い、餌も揃えば、あとは釣りまくるだけですが、前述のとおりイサキは黒潮に乗って接岸してくるため、潮が動かない日は一晩中全く釣れないという悲劇にも遭遇しかねません。
出来うるならば、中潮回りの月夜の日を狙って釣行したいものです。
何故、月夜かといいますと闇夜の日は、「ヤッパタ」、「タチ」と呼ばれる太刀魚科の魚(正式にはクロビシカマスと言います)が暴れまくり、これが暴れだすとイサキは怖がり本当にパタッといなくなってしまいます。
この輩が暴れまくっている時間帯は釣り人は仮眠を取る以外になにもすることができなくなってしまいます。
獰猛な海の暴れん坊ですが、地元の人達はこの魚をワイヤーのハリスを用いて専門に狙いにきます。
グロテスクな顔と体形に似合わず、それが食べるととてもおいしいのです。
伊豆大島へ行く機会があれば是非食べてきてください。
油がこってりと乗って塩焼きはもう最高です。
この原稿を書きながらよだれが出てきてしまいそうです。
イサキの話に戻りましょう。
釣り場には(桟橋、あるいは磯)、日のあるうちに入り、足場を確保しておきましょう。
夜は、ヘッドランプを使ってもやはり危険です。
まずは、安全の確保ですね。
ライフジャケットの着用は絶対条件です。
渡船屋さんでは、最近は、ライフジャケットの非着用者は乗せないというのが通例になってきているようです。
日のあるうちに仕掛けを準備し、釣れなくても、一定の場所にコマセを打ち込みポイントを作っておきます。
何人かで協力して作業をすれば、より効果的ですね。
釣れる棚(魚の遊泳層)は約10mほどですが、夜になると習性なのか棚が上ずり、最終的には、3m程度でもパカパカと釣れる事があります。
棚が浅くなればなるほど手返しが良くなるので、こんな日に当たれば、2時間でクーラーが満杯状態になります。
しかし、私は、長いことつりをしておりますが、未だかつて1回しかこのような日には遭遇しておりません。
夕方から深夜まで竿を出して、20〜30がよいところではないでしょうか?
私は、自然愛好家ですから釣りすぎはやめるようにしているので概ね上記のようなスコアーに落ち着きます(笑)。
今は9月です。イサキの本当の旬は今なのを知らない人が多いんです。
5月から7月にかけて産卵を終えたイサキは体力回復のためにひたすら餌を食べまくります。
体力を回復したイサキは、いわゆる締まった体になり(のっこみと違い、ハンマー投げの室伏選手を思い描いてください。)、食べると最高な魚と化して針にかかってくれます。
釣果は、のっこみ期に比べると落ちますが、量より質を常に求める私はこの時期に釣行予定を立てます。
本当にこの時期のイサキは美味しいのです。
イサキ釣りに関して書いてきましたが、残念ながら、今年は、仕事が立て込んでいけそうもありません。残念です。無念です。悲しいです。
しかし、当研究所の受講生の皆さん、このコラムを読んでくれている皆さんが合格の栄誉を手にしたとき、私のフラストレーションは一気に晴れることでしょう。
私の精神的な安定のために皆さん是非合格を果たし、公約どおり「連れて行け」と命じてください。
さすれば、だれに遠慮することなく、胸を張って同道できます。
コラムを書きながら、実践できないでいる哀れな「所長」を救うため、皆さん頑張ってくださいね。